体験談・コラム

トランプ関税の影響で投資スタイルを変更した話

今回は、トランプ関税の影響で投資スタイルを変更した話をする。
もはや知らない人はいないと思うが、トランプ関税の影響で相場が大荒れとなっている。
NISAにつっこんでいた俺の資産も、一時に比べたら大きく減少しており、配分だけでなく投資に対するスタンスも見直した。

この記事はあくまで個人的な投資に対する考え方の発信であって、読者の投資を促すものではありません。投資は自己責任でお願いします。押忍。

文鳥と暮らす在宅エンジニア yassan です。仕事の生産性や生活の質を高めるアイデアを共有しています。

これまでの投資

俺が投資を始めたのは、社会人1年目の秋ごろ。今から6年前の話だ。
当時よくみていたYoutuberが、副業や投資を推ししていたので、興味を持って初めてみたのが事の発端。
とはいえ、貯金だと現金がすぐに使える状態のため、アホな俺はあればあるだけお金を使ったしまう。
そこで投資の出番というわけだ。証券口座に移してしまえば、崩すにも一手間かかり散財の抑止力になる。

早速積立NISAの口座を開設し、生活に無理のない範囲の余剰資金で適当に米国株を毎月購入していた。
壊せない貯金箱でありながら、あわよくばちょっと儲けたいという下心君を持ってのスタートだった。

それから少ししてコロナ禍になり、世間的にもFIREが囁かれ出したと思う。
俺も当時は仕事が嫌だったので、いつかFIREしたいなと思って、高配当株やBTCに手を広げた。
といっても、種銭がわずかしかないので、単元株をチマチマ買うことしかできなかった。
それでも続けていれば、いつの間にか含み益は伸びていたし、年間で数千円は配当がもらえる水準にまで来ていた。

そしてまた年月が経ち、新NISAなるものが登場した。丁度この頃の俺は仕事も生活も順調で、投資に興味がなくなっていた。
積立NISAの口座を見ると、数十%以上の含み益が出ていたので、この時に利確してそれを少しずつ新NISAに移していった。
この時、なんとなく全世界と米国を半々にしていた。

最終的な資産配分としては、全世界株40%・米国株40%・国内高配当株15%・米国高配当ETF5%・現金0%となり、トランプ大統領の就任を迎えた。

問題点

と、ここまでは順調に来ていたものの、このタイミングで私事ながら結婚式を挙げることにした。
結婚式と言えば人生における大きな支出の一つだ。現にこれまでの俺の人生で最も大きな買い物となった。(結婚式自体は楽しかったし全く後悔していない)
当然貯金(投資)していた分をいくつか崩さなければならないのだが、このタイミングでトランプ関税のゴタゴタが始まってしまった。

運よくプロポーズの指輪を買うために、2024年末に米国株の4割程度を現金化していたため、ある程度は売り抜けた。
が、しかしその後は言わずもがな、評価損益は圧倒的マイナス。全てがマイナス。これは辛い。

「本当にお金が必要な時が来ればマイナスであっても崩そう」と決めたものの、いざやろうとするとめちゃくちゃ心理的に抵抗があった。
「髪の毛が薄くなったらスキンヘッドにするねん」と言っておきながら、実際にハゲが進行すると育毛剤を買い漁るあれとよく似ている。自分を過信しすぎなのと想像力の欠如。

で、結局どうしたかと言うと、毎日自分の評価損益をチェックして、少しでもプラスになったタイミングで少しずつ崩した。
いっときのウハウハな相場で崩せなかったのは確かに残念ではあるが、そもそも損をしなければOKなんだと思い直した。
(もっと言えば積立NISA -> 新NISA の時に利確しているので、一応ある程度の得はしている)
結果的に、プラスではあるものの微妙な相場で全世界の半分近くを手放した。
日本株も同様に手放したが、こちらは関税暴落の後の跳ね返りで半分近く手放した。いずれにしても損はしていない。

損はしていないのだが、ピークで売り抜けれなかったところがやはり引っかかる。感情的に整理が追いついてない。

つまり、結局何が問題だったのかと言うと、投資に対するスタンスが曖昧だったと言うことだ。
壊せない貯金箱とインフレ対策で始めたものの、出口戦略を明確に考えてなかった。というか出口戦略がこんなに難しいことを知らなかった。
お金は使ってこそ価値があると常々思っているが、稼ぐことも難しいが使い時もまた難しい。

これからの投資

皮肉なことに結婚式が終わるのとほぼ同時に株もある程度元に戻り相場も落ち着いてはきた。
また、幸いにも結婚式費用は想定していたよりも少ない出費で抑えることができた。
と言うことで、社会人1年目ぶりの現金保有割合が大きい状態となり、リバランスの機会を得た。

先の問題点を踏まえて、今度はしっかりと自分で納得できるような投資をしたいと思い、改めて考え直した。
その結論が下記の通り。

体験の数を増やしたい、減らしたくない

なぜ投資をするのか、投資をした結果何を得たいか。やはり一番のキモはここだ。

なぜ投資をするのかと言えば、経済的に豊かになりたいからだ。
つまり、シンプルに利益を得たい。それ以上でもそれ以下でもない。

経済的豊かな状態をもう少し深掘りすると、日々生活に使える支出の額を増やせることだと考える。
飲みにいったり、スポーツをしたり、旅行に行ったり、クオリティは上がらなくてもいいから数を増やしたい(減らしたくない)。
つまり、タワマンに住んだり高級車に乗ることやFIREすることが目標なのではなく、人生を通してできる体験の数を増やしたい(減らしたくない)と言うのが俺の願いだ。

別に投資しなくても、今の収入であればある程度は実現できている。
「じゃあそもそも投資しなくても良くね?」とはならず、将来のことを考えたら、やはりある程度のお金は投資しておくべき。
怪我や病気で稼げなくなるかもしれないし、そもそもこれからは体力も落ちて仕事のパフォーマンスも出せなくなってくる。

若い時が一番のお金の使い時だとは思うが、現実的に考えると我々一般庶民にとっては、ある程度の貯金や投資が必要だ。

キャピタルゲインに依存しない

キャピタルゲインに依存しないようにしたい。

インデックス投資、特にNISAの積立枠で行う投資は、俺の知る限りでは全て分配金を再投資する商品なので、キャピタルゲイン一本狙いになる。
ということは、買い時と売り時を見極める必要があるのだ。
NISAの思想に従えば、買い時は簡単。生活に無理のない範囲の余剰資金を計算して設定し、毎月それを淡々と買い続けるだけだ。

問題は売り時。
お金を使いたいタイミングで暴落してたら投資してきた意味がないし、かと言って相場のいいタイミングで売ろうにも、基本的には右肩上がりなので崩す気が失せてできるだけ後回しにしようとする。
そのまま使わずに生涯を終えても本末転倒だし、やはりいずれは売ることを考えないといけない。
目標金額や使い道がハッキリしている場合はそれを設定すれば良いのだが、残念ながら俺は持ち合わせていない。

であれば、そもそもキャピタルゲインを狙うインデックス投資をやめたらいいんじゃないかという結論に至った。
厳密には全てやめるわけではなく、投資額を極僅かにすることにした。評価益が20%超えたら流石に利確するかなって感じ。

出口戦略の不要な高配当株をメインに

では何に投資するのかと言うと、高配当株投資だ。インカムゲインを主軸にする。

高配当株投資は読んで字のごとく、配当金を多くもらえる株式に投資をする投資手法だ。
株価の上下に関係なく企業が利益を分けてくれる限り、投資者は利益を享受し続けることができる。
もちろん株価が安い時に買って高い時に売ればキャピタルゲインも得ることはできるが、目的はそこではなく運用していく中で手に入るインカムゲインが目的。

つまり、インデックス投資がキャピタルゲイン一本狙いなら、高配当株投資はインカムゲインをもらいつつ、あわよくばキャピタルゲインももらえる下心溢れる素敵な投資なのだ。

で、個人的な最大のメリットは、高配当株投資はインカムゲインが目的なので、売り時を考えなくていいのだ。(逆に買い時は難しい)
めちゃくちゃ含み益が出て気が向いたら売却するくらいのノリで大丈夫。だってキャピタルゲインは副次的なものだもん。
配当金は手元に現金で入るので、今回のように急な出費が必要になった時でも、売却を迫られる状況に比較的なりにくい。

また、相場の影響もインデックス投資に比べたら受けにくい。
インデックス投資の場合は相場が悪いと直接リターンも悪くなる。高配当株投資の場合は相場が悪くても配当に直接影響が出るわけではない。
もちろん、直接ではないだけで間接的には影響がある。企業が利益を上げれないと、減配などの可能性は高まる。(そこで減配するかどうかはその企業の方針にもよる)

デメリットとしては、インデックス投資よりも高配当株投資の方が儲かる可能性が低いこと。
偉い人たちの研究結果により証明されているらしいので、高配当株メインだと大きな目で見ると損をすることになる。
大多数の人にとってはやはりインデックス投資をコツコツ進めるのが正解なんだろうなと感じる。

ちなみに高配当株投資も、NISAの成長投資枠を利用することで節税をすることができる。
これは売却益だけでなく、配当金にも適用されるらしい。すごい。

やってみたら結構楽しい

というわけで、投資スタイルを変えるぞと意気込み、リバランスをしてみた。

で、してみるとこれが結構楽しい。
というのも、配当を出すには企業が利益を出していなければならないので、我々投資する側は企業についてよく調べないとならない。

「この企業(あるいは業界)はどうやって利益を上げているんだろう」
「この企業(あるいは業界)は中長期的に景気はどうなるだろう」
といったことが自然に疑問に湧いてきて、それをホームページやYoutubeで調べるのが楽しい。

残念ながら今の俺は経理スキルがないので決算書を読むことはできないが、今後はそういったのが読めるようにもなりたいと思う。
今はとりあえずPER・PBR・ROEの指標をベースに判断することしかできない。

それでも俺なりに考えてポートフォリオは組んでみた。目標の配当利回りは4%。
ポートフォリオはまたいつか公開できたらと思う。

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