
最近、SNSやニュースなどで「AI失業」というワードをよく聞く。
特に、ITエンジニアに対しても「生成AIがコードを書くから、もう人間は不要だ」とか「あと数年で職業として消滅する」とか、現場を知ってるのか・AIの基本的な仕組みを知っているのか、疑問に思う。
現役エンジニアの俺としては、ハッキリ言ってこんな投稿は的外れだと感じている。
過度に不安を煽ってインプレを稼ごうとしているとさえも思う。
確かにAIが登場したことで、問題解決のスピードは早くなったし、作業範囲が専門外のところまで手を伸ばせるようになった。
だけど、結局のところツールの域を出ないし、今後もどれだけ精度が向上しようとそれは変わらないと思う。
これは単に逆張りをしているわけではない。
俺は学生時代にDeepLearningの研究をしていたし、修士論文のテーマはGANだった(当時は今ほど汎用化も注目もされていなかった)。
だからAIについては世間一般より詳しいつもりで、その仕組みを知った上で考えに至っている。
日本の現役エンジニアが過度なAI失業を恐れなくても良い3つの理由

解雇規制がある
シンプルに解雇規制がある。
これは普通に会社は従業員を滅多な理由がないとクビにできないということ。
雇用は国が守ってくれている。
ただ、解雇規制があるからといっても、会社によってや無茶苦茶な配置転換や陰湿ないじめによって自主退職を暗に促すケースもあると思う。
そういう面では、自身が前向きに受け入れるか、鋼の意志を持って残るか、何らか必要。
まぁこれはAIに限った話ではない。
AIは神でも魔法でもなく「統計」
AIは神でも魔法でもない。ただの統計。極論を言えば多数決。
AIって人間のように何かを考えてものを作ったりするわけではない。
ましてや、感情があって人間に寄り添っているわけでもない。
それは単に、プロンプトに沿った統計的な正解を出力しているに過ぎない。
「おはよう」と入力すれば「おはよう」と返す。
挨拶だからとか、関係性を維持したいからとか、そういうことではなく「おはよう」と返すのが統計的に正解だから。
最近何を聞いても「良い質問ですね」とか「鋭いです」とか言ってくるのは、そう思っているのではなく、
そうやって枕詞につけるのが統計的に正解だから。
(つまり、これまでのAIの使われ方でその枕詞をつけた方が👍がつくことが多かったから)
「1+1」と入力すれば「2」と返す。計算しているわけではなく、「2」が統計的に正解だから。
「バナナの画像」と入力すれば「黄色で細長い物体」を出力。それが統計的に正解だから。
じゃあその統計とやらは何のデータを持ってしてなのかというと、インターネット。
インターネット上の大量の情報を元にしている。
今インターネットはAIが出力したものが急速に増えている。このままAIが生成するものばかりで世の中が埋め尽くされたら。
AIが出力したものをAIが学習したら・・・過学習(未知のデータに対する予測精度が低下すること)して勝手に自滅していくだろうと俺は思う。
これは社内のクローズドな環境で利用していたとしても同じことが言える。
AIはネットの海から統計的な正解を出力するに過ぎず、ビジネスの現場で正解や課題を定義し、責任を持つのは常に人間だ。
組織の方針を理解して技術的負債を作らないようにAIをコントロールするのもエンジニアの仕事の一つになると思う。
リテラシー人材の希少化
社会としてのAIに対するリテラシーが低い。
こうしてAI失業でインプレッションが稼げるあたりがもはや物語っている。
エンジニアが最もAIに近くAIを使いこなす職業であり続けることは間違いない。
AIを知っていても使えない人が多いってこと。
水道の仕組みはよく知らなくても水が使えるのは、浄水や配管や上下水の仕組みを知っているプロが運用しているから。
「AIが全部やってくれるから人間はいらない」というのは、「水道があるから水道局員はいらない」と言っているようなもので、そんなこと実現するわけがない。
逆にそうなってもいいっていう人が多くなる方が俺は怖い。
だから、現役エンジニアは他の技術やツールと同じように、AIについてキャッチアップしてれば大丈夫。
むしろそうして学習していくことで希少性はどんどんと高まる。
上記を踏まえて

というわけで、日本の現役エンジニアがAI失業を過度に恐れなくても良い3つの理由を紹介した。
もちろんこれは俺個人の意見だし、異論は認める。
よく俺は楽観していると言われるので、そのように思う人も少なくはないのだろう。
ただ、上記を踏まえて、「日本の現役エンジニア」に該当しない人はこの限りではないと思う。
つまり、海外で働いている人にとっては、解雇規制がないし変化が激しい。
経営層の判断で、エンジニアの数が削減されたりすることはあると思う。
(俺は海外で働いたことがないので詳しくはないが。)
また、これからエンジニアになる・なろうと思っている人にとってもハードルが上がる。
エンジニアの技術のキャッチアップのスピードがAIというツールによって加速している。
この激流に最初に飛び込む時が一番パワーを使う。
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