いつの間にかCloudWatchLogsの料金仕様が変わっており、VendedLogsなるものが新設されていたので調査報告をする。
yassan琵琶湖畔で文鳥と暮らす在宅エンジニア yassan です。仕事の生産性や生活の質を高めるアイデアを共有しています。
VendedLogs とは何か


VendedLogsとは何かというと、CloudWatchLogsの種類のことだ。
これまで種類分けはなかったのだが、VendedLogsが登場したことで、CustomLogs(従来のログ)とVendedLogsの2種類に分けられた。
VendedLogsはマネージドサービスが出力するログ全般が分類される。
詳しい対比表は以下になるが、ざっくりまとめると上記のような表現になる。
https://docs.aws.amazon.com/AmazonCloudWatch/latest/logs/AWS-logs-and-resource-policy.html より抜粋
表記の通り、LambdaやWAFなどのマネージドサービスはVendedLogsに分類され、RDSやECSはCustomLogsに分類される。
分類分けによって何が変わるかと言えば、書き込みの料金だ。
CloudWatchLogsへ出力する場合、ボリュームディスカウントが設定されており、10TB以上から段階的に料金が安くなっていく。
CustomLogsの場合は書き込み料金が $0.76で固定だったのが、VendedLogsだとスタートの $0.76は同額なものの10TB以降は半額以下に安くなる。
| <br> | <br> | 配信先 | <br> | <br> |
|---|---|---|---|---|
| 取り込まれたデータ | CloudWatch Logs 標準 | CloudWatch Logs 低頻度アクセス | Amazon S3 | Amazon Data Firehose |
| 最初の 10 TB/月 | USD 0.76/GB | USD 0.38/GB | USD 0.38/GB | USD 0.38/GB |
| 次の 20 TB/月 | USD 0.38/GB | USD 0.228/GB | USD 0.228/GB | USD 0.228/GB |
| 次の 20 TB/月 | USD 0.152/GB | USD 0.114/GB | USD 0.114/GB | USD 0.114/GB |
| 50 TB 超/月 | USD 0.076/GB | USD 0.076/GB | USD 0.076/GB | USD 0.076/GB |
| 保存されたデータ | USD 0.033/圧縮された GB* | USD 0.033/圧縮された GB* | S3 の料金を参照 | 該当なし |
| 形式を Apache Parquet に変換 | 該当なし | 該当なし | USD 0.056/GB** | 該当なし |
https://aws.amazon.com/jp/cloudwatch/pricing/#Vended_Logs より抜粋
このボリュームディスカウントの計測はサービスごとに分かれているわけではない。
例えば、Lambdaで8TB・WAFで8TB使用した場合、10TBは $0.76で計算され、6TBは $0.38で計算される。
さらに言えば、AWS Organizationsを利用している場合、組織単位での計測となる。
例えば、アカウントAのLambdaで7TB・アカウントBのLambdaで7TB使用した場合、10TBは $0.76で計算され、4TBは$0.38で計算される。
ただ、アカウント間でどのように按分されるかを設定することはできないので、月の中での利用量が変動する場合はアカウントごとの請求がばらつくので注意。
(と言っても安くなる変更なので、問題があるというわけではないが)
なお、ログの中身自体に変更はない。あくまで、料金を分けるための分類分け。
既存環境への影響は薄い?


ここまでVendedLogsの仕様について触れたが、ここからはこの仕様変更が与える影響について考察する。
俺的には、この仕様変更のインパクトは正直なところ薄いと思う。
というのも、VendedLogsがマネージドサービスが出力するログに尽きるという点。
確かにVendedLogsに分類されるログも量は多い印象はあるが、どちらかと言えばやはりCustomLogsのログの方が多い印象がある。
(もちろん時と場合にもよるが、そのようなワークロードの方が多いんじゃないかと思う。俺の主観。)
VendedLogsだけで10TB超な環境を用意することが、ある程度規模の大きいワークロードに限定される。
また、CloudWatchではなく、DatadogやNewRelicなどのサードパーティツールを利用している現場も多いかと思う。
サードパーティツールの導入がすでに完了している現場については、この恩恵を受けることができない。
自分の運用している環境に当てはまればラッキーなくらいの感覚で良いと思う。
あるいは、これから大規模なワークロードを組もうという人にとっても、ラッキーなアップデートだと思う。






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