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【AWS SAP対策】AWS KMSとCloudHSMの違い

こんにちは、yassanです。
今回は、【AWS SAP対策】AWS KMSとCloudHSMの違いを紹介します。

KMSもCloudHSMも、暗号化で使われるサービスということは知っている方も多いと思います。
それゆえに、解答の選択肢をこの2つまで絞ることができても、結局正解を選ぶことができない...ということも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、AWS SAPで頻出のKMSとCloudHSMについて取り上げたいと思います。

ちなみに、KMSとCloudHSMの違いは、公式ドキュメントのよくある質問にも記載されています。

AWS KMSとは?

KMS(Key Management Service)は、データの暗号化に使用される暗号化キーの生成・管理を行うマネージドサービスです。
EBSやRDSなどで、暗号化オプションを選択したことがある型は、見たことがあるかと思います。

KMSで管理されるキーには、サービスごとのデフォルトのキーと、CMK(Customer Master Key)の2種類があります。

サービスごとのデフォルトキーは、EBSなどの様々なサービスに対して1つずつ発行されるキーです。
AWS側で自動で作成・管理してくれるので、暗号化の要件を非常に簡単に満たすことができます。

CMKは、利用者側で作成した暗号化キーを、KMSにインポートしたものです。
暗号化方式を変えたいときなど、個別で対応が必要な場合に利用されます。

サービスごとのデフォルトのキーは、リージョンをまたぐことができません。
リージョンをまたぐ利用が想定される場合は、マルチリージョンキーを発行する必要があります。
CMK作成時に、マルチシージョンキーを選択することで、複数のリージョンにキーをレプリケーションできます。

KMSは、キー1つごとに毎月USDの課金が発生します。
自動ローテーション機能を有効にした場合は、さらに1USDの課金が発生します。

CloudHSMとは

CloudHSMも、暗号化キーを作成・管理するための専用ハードウェアです。
CloudHSMを利用することで、AWSのデータセンター内に、専用のハードウェアがプロビジョニングされることとなります。

CloudHSMを利用することで、専用HSMインスタンスで管理することになるので、データセキュリティのコンプライアンス要件を満たすことができます。
また、KMSでは物理サーバーを共有しますが、CloudHSMでは専用するため安全性が高まります。

CloudHSMはVPCを利用する必要があります。
CloudHSMで管理するキーとは別VPCとなっても問題はありません。

CloudHSMの料金は、起動してから終了するまで1時間ごとに(東京リージョンの場合)約1.8USDの課金が発生します。

CloudHSMはKMSよりも高額です。

最後に、CloudHSMのユースケースとしては下記の通りです。

ウェブサーバーのSSL処理のオフロード

Secure Sockets Layer (SSL) と Transport Layer Security (TLS) は、ウェブサーバーのアイデンティティを確認し、インターネットを通じてセキュアな HTTPS 接続を確立するために使用されます。AWS CloudHSM を使用することでウェブサーバーの SSL/TLS 処理をオフロードすることができます。ウェブサーバーの SSL/TLS 処理に CloudHSM を使用すれば、CloudHSM 内にあるウェブサーバーのプライベートキーを保存することで、ウェブサーバーの負担を軽減し、セキュリティを強化できます。

https://aws.amazon.com/jp/cloudhsm/ より引用

発行認証局 (CA) 向けのプライベートキーの保護

公開鍵基盤 (PKI) では、認証局 (CA) がデジタル認証を発行する信頼されたエンティティです。このようなデジタル認証は、個人または組織を識別するために使用されます。AWS CloudHSM を使用すると、プライベートキーを保存し、自社の認証を発行する発行 CA として安全に機能することができるよう、認証リクエストに署名することができます。

https://aws.amazon.com/jp/cloudhsm/ より引用

Oracle データベースでの Transparent Data Encryption (TDE) の有効化

AWS CloudHSM を使用すると、Transparent Data Encryption (TDE) をサポートする Oracle データベースサーバーのために、TDE マスター暗号化キーを保存できます。SQL Server のサポートが近日開始TDE を使えば、サポート対象のデータベースサーバーで、データをディスクに保存する前に暗号化できます。Oracle 向け Amazon RDS は CloudHSM の TDE をサポートしていません。その場合は、AWS Key Management Service をご利用ください。

https://aws.amazon.com/jp/cloudhsm/ より引用

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