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【入門】セキュリティグループ数の上限についての考え方【EC2】

こんにちは、yassanです。
今回は、【入門】セキュリティグループ数の上限についての考え方【EC2】 を紹介します。

セキュリティグループには、最大1,000までの上限ルールがあります。
規模の大きい開発やセキュリティを細かく設定する場合は、この上限が意外と効いてきます。

今回は、そんなセキュリティグループの上限について紹介します。
申請方法とトラブルシューティングまで紹介してますので、今まさに困っている方もご参考ください。

セキュリティグループ上限の考え方について

AWS公式ドキュメントでは、下記の通りで紹介されています。

デフォルトのセキュリティグループの制限は増減できます。最大制限は、セキュリティグループごとのルールとインターフェイスごとのセキュリティグループという 2 つの制限に基づいて計算されます。ネットワークインターフェイスごとのセキュリティグループの制限にセキュリティグループごとのルールの制限を掛けた値は 1,000 を超えることはできません。
たとえば、ネットワークインターフェイスごとのセキュリティグループの制限を 10 に増やす場合、現在の制限に基づいてセキュリティグループごとのルールの制限を 100 に変更して、最大制限を 1,000 に維持することができます。

https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/knowledge-center/increase-security-group-rule-limit/

要約すると、
セキュリティグループごとの最大ルール数 × EC2(厳密にはENI)あたりにアタッチするセキュリティグループの最大数 = 1,000 という計算になり、
この1,000という数字が上限となっています。

1,000という数字を超えなければ、掛け算の元となる数字は柔軟に変化可能です。

セキュリティグループごとの最大ルール数とは、1セキュリティグループあたりのインバウンドルール・アウトバウンドルールのことを指します。
デフォルトの最大ルール数は、60です。
上限緩和申請をすることで、50~300まで変更することができます。

セキュリティグループごとの最大ルール数は、インバウンドルールとアウトバウンドルールそれぞれ別々にカウントします。
例えば、最大ルール数が100の場合は、インバウンドルール・アウトバウンドルールそれぞれ100個のルールを設定することができます。

EC2あたりにアタッチするセキュリティグループの最大数は、文字通りアタッチするセキュリティグループの数です。
デフォルトの最大数は、5です。
上限緩和申請をすることで、3~16まで変更することができます。

理屈上は、下記の通りの使い分けになります。

各ネットワークインターフェイスのセキュリティグループ各セキュリティグループのルール各ネットワークインターフェイスのルールの合計
5 (デフォルト)60 (デフォルト)300 (デフォルト)
101001000 (最大)
16 (最大)62992 (最大)
1050 (デフォルトより低い)500
3 (デフォルトより低い)300900
https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/knowledge-center/increase-security-group-rule-limit/ より引用

上限緩和申請について

では、実際に上限緩和申請をやってみましょう。
ここでは、例としてセキュリティグループの最大ルール数を60か100に変更してみます。

AWSマネジメントコンソールの右上のメニューから [Service Quots] を選択します。

一覧から [Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC)] を選択します。

一覧から、[Inbound or outbound tules per security group] を選択し、[クォータの引き上げ申請] を選択します。

EC2あたりにアタッチするセキュリティグループの最大数の場合は、[Security groups per network interface] を選択します。

新たに設定したい上限数を記載して、 [リクエスト] を選択します。

これで申請は完了です。
僕の体感では、問題なければ30分~1時間程度で承認・適応されます。

トラブルシューティング

(諸事情により画面キャプチャはございません。ご了承ください。)

申請をしてもなかなか承認されない場合、上限を超えた申請をしている場合があります。

例えば、上記のセキュリティグループごとの最大ルール数を100にしたまま、
EC2あたりにアタッチするセキュリティグループの最大数を12に申請すると、計算上、100 × 12 = 1,200 で 1,000をオーバーしてしまいます。

その場合、申請後のステータスが「クォータの引き上げ」のまま止まってしまっています。
「クォーターの引き上げ」をクリックすると、詳細を確認することができます。

AWSサポートのIDが発行されているはずなので、AWSサポートのページでサポートメッセージを確認できます。

AWSサポートから、おそらく
「この申請内容では1,000の上限数を上回り、他のリソースに影響を与えるかもしれません。1,000を超えないように数字を調整してください」という内容のメールが来ているはずです。
AWSサポートの指示に従って、調整した数字を回答すると対応してくれますので、試してみてください。

以上となります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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