こんにちは、yassanです。
今回は、我が家の家計管理法を紹介する。
我が家は大人2人と1羽で生活しているごく普通の家庭だ。
独自の家計管理を考案・運用しているのだが、これがなかなか良い感じなので紹介したい。
これから同棲を始めようとしている方や、パートナーと家計管理法で揉めている方にとって助力になれば幸いだ。
文鳥と暮らす在宅エンジニア yassan です。効率よく働きながら生活の質を高めるアイデアを共有しています。
一般的な家計管理方法とその問題点

我が家の家計管理を紹介する前に、まずは一般的な家計管理方法とその問題点を紹介する。
お小遣い方式
片方が家計を完全にコントロールし、もう片方には毎月決まった額をお小遣いとして渡す方式。
(あるいは、家計という財布を用意して両者でコントロールし、両者が毎月決まった額をお小遣いとして使う方式。)
俺より上の世代では、この管理方法は結構一般的らしい。
お小遣い制の問題点は度々ネットでも取り上げられているので、ここで深く語らなくても知っていると思う。
俺が思うお小遣い方式の問題点は大きく2つある。
1つ目は、インセンティブが効かないので労働や家事の意欲が失せることだ。
頑張ったところで自分のお小遣いが増えないのであれば、誰だってやる気は失せる。
やる気が失せれば世帯収入の増加は見込めなくて、結果的に2人にとっての得にならない。
2つ目は、家計を管理する側の采配次第で家庭が崩壊する可能性があることだ。
管理側が適切に資産運用するかどうかで、家庭内資産の明暗がはっきりと分かれてしまう。
極端な例だと、管理側が詐欺被害にあって資産を失ってしまうと、お小遣いをもらう側も共倒れになってしまう。
「卵は一つのカゴに盛るな」の原則に反していてリスクが高い。
このようにお小遣い制は良いことがない。
管理側はマネーリテラシーと強い責任感を持ち、お小遣いをもらう側は極めて我慢強い性格でなければ難しい。
独立会計・一部共通口座方式
共働き前提でそれぞれ生活に必要なお金だけを共通口座に入れて運用する方式。
多分同世代ではこの方式をとっている家庭は多いのではないだろうか。
かくいう俺も、以前の同棲ではこの方式で運用していた。
この方式ではお小遣い制と違って、インセンティブは効くしリスク分散ができているので、そこの問題は解決できている。
が、この方式がゆえの新たな問題が2つ発生する。
1つ目は、会計管理が複雑になり管理工数が増えることだ。
それぞれの項目に対して、個人負担にするか共通負担にするかを協議しなければいけない。
「そんなこと?」と思うが、実際にやってみるとこれはかなり骨が折れる。
ティッシュなどの両方が使う日用品は共通で良いか?それぞれのシャンプー代は共通か個人か?
男の方が多く食べる分の食費はどう按分するのか?外食の時のお金は共通か個人か?
支払いはどちらの名義のカードでやる?そのカードはどちらが持つのか?
買い物をするときは個人の買い物と共通の買い物をどう分けるか?
共通口座に入れる金額は同額でいいのか?収入に応じて按分するか?按分するなら割合は?その割合は適切か?
・・・・・・
パッと思いつくだけでもこれだけあり、書き出すとキリがない。
しかも、最初にすべてカチッと決まることはなくて、運用している中で都度調整していかなければならない。
結果、買い物のたび(あるいは月次でまとめて)精算したり、その項目が個人か共通か協議するので、管理工数が爆増する。
2つ目は、2者間での対立が生まれ奪い合いになりやすいことだ。
この方式で個人の資産を増やすにはどうしたら良いか考えてみてほしい。
1つはシンプルに自分の収入を上げることだ。会社員なら昇給・転職・副業のどれかが有効だろう。
しかしこれらの手法で収入を上げようとすると、時間と労力と運が必要になる。
手っ取り早く確実に資産を増やしたい場合には、この手法は有効とは言えない。
収入が増やせないならば、支出を減らすしかない。手っ取り早く確実に資産を増やすには、やはり節約だ。
じゃあ節約するとなったら、どうやって節約するだろうか。
会社員の方ならよくわかると思うが、会社の手当や経費で落としてくれるものは積極的にそれを活用するはずだ。
それと同じことが家庭内でも起きる。
個人口座からの支出を抑えることそれ以上に、可能な限り共通口座からの支出になるように工面するはずだ。(共通口座への入金額を変更できない場合は尚更)
会社の手当や経費は整備されているので、OK・NGがハッキリ決まっているからトラブルにはなりにくいが、家庭は別だ。
明確な線引きができていないうえに、それぞれ個人の資産を増やしたいという裏の意図を持って協議するために、トラブルになりやすい。
皮肉なことに、自分の資産を合理的に最適化しようとすると、相手の資産を奪うことが解になってしまうのだ。
(あくまでこれは合理的な解の話で、全員がこれを実行するわけではなく可能性の話)
さらに2者間の収入の差が大きければ大きいほど経済格差が生まれて軋轢が生まれる可能性もある。
収入が多い方にとっては非効率な節約を強いられたり、収入の少ない方にとっては割高な生活水準で暮らさなければならなくなることもありうる。
最後にそもそもの話、これは共働きであることが前提の方式だ。
病気や子育てで片方の収入が激減した時点でこの方式は成立しないので、長期的に運用するのは難しい。
我が家の家計管理方式:合算2等分方式

前置きはこの程度にして、我が家の家計管理方式を紹介する。上記の問題をうまいこと解消できているはずだ。
この方式は至ってシンプルで、
毎月の2人の収入を合算した金額から、家賃・電気代・水道代を引き、差額を2人で半分こする。
これ以上でもこれ以下でもなく、マジでこれだけ。この方式を合算2等分方式と呼ぶことにする。
この方式のメリットは3つある。
なお、この方式でもインセンティブは効くしリスク分散も成立している。経済的DVにもならない。
管理が極限まで少ない → 時間が生まれる
合算2等分方式は、管理工数を極限まで少なく設計している。
毎月の家計管理が秒で終わるため、その分浮いた時間を他に使うことができる。
管理工数の少ないポイントは2つある。
1つ目は、按分の考え方がないことだ。
収入に関しては、2人とも給料の手取り金額をそのまま合算したら良いので、悩む余地がない。
按分の概念を持たないので、いくらまでとか何割とかを考える隙間が存在しない。
独立会計・一部共通口座方式のように、都度按分を考えたり毎月入金額が変動しないので楽なんだ。
2つ目は、共通の支払い項目を極限まで減らしていることだ。
家賃・電気代・水道代を除くすべての項目が、半分こした後のお金から個々人が好きなように出す仕組みだ。
それぞれの収入と3項目だけをNotionのデータベースに入れれば、その月の半分こした金額が自動で計算される。
これだけであれば、給料明細とクレカの明細をさっと見るだけで済む。
家計管理自体は何も生み出さない。本来は時間をかけない方がいい。
家計管理に毎月数時間も2人の時間を拘束するのもアホらしい。そんな時間があれば2人で遊んだ方が絶対良いという俺の考え方。
奪い合いが発生しない → それぞれの収入を増やすことに集中する
合算2等分方式には奪い合いは発生しない。
というかよりか、やろうとと思ってもできない。
収入をそのまま合算するので、入金部分をコントロールすることはできない。(常に100%)
家賃・電気代・水道代も、(月々の誤差はあれど)コントロールすることができない。(常に一定額)
最後半分こに分かれるので、そこもコントロールすることができない。(常に÷2)
コントロールできないようにしているので、2者間でお金の奪い合いを発生させることはできない。
自分の資産を増やしたいのであれば、収入を増やすか個人の支出を抑えるしか選択肢はない。
これによって2者間の対立は生まれず、各々で節約するところは適宜行い、「収入を増やす」という同じ方向を向くことができる。
インセンティブが両者に効く分、片方の収入が増えることは両者にとって嬉しい。自分のためにも相手のためにも、頑張ろうと思えるのだ。
逆に、何らかの理由で片方の収入がなくなった時には、両者に負担がかかる。
このネガティブな点については後ほど解説する。
お金の使い方が自由 → 金銭的ストレスがない
差額で受け取った金額の使い道は 100%自由だ。
手堅く投資や貯金をしてもいいし、宝くじを買ってもいい。
どっかに旅行に行ってもいいし、誰かにプレゼントを買ってもいい。
自己投資してもいいし、無駄遣いしてもいい。
生活水準を上げてもいいし下げてもいい。(俺は嫌いだからつけないが)やりたければ個人で家計簿をつけてもいい。
自由に使えるので、使い道へのストレスは一切ない。
使える金額が少ないことがストレスに感じるなら、それは頑張って収入を増やすしかない。
お金は何かをするための手段であり、その手段に制限をかけることは人生のあらゆる可能性に蓋をしてしまう。
自己投資を怠れば衰退する一方だ。一見無駄遣いに見えても本人にとっては必要な出費というのもある。
ほしいものややりたいことががあるから頑張れる。お金を使うことは実はとても大事なことだと俺は思う。
また、2人の使える金額には差がない。
どちらか一方だけがたくさんお金を使えるということは、以前に貯金でもしてない限りは不可能。
金銭感覚が同等になるので、そこで軋轢が生まれることもない。
よくある質問

合算2等分方式について、よくある質問について回答しようと思う。
ちなみに、実際に質問があったわけではなく、この方式を設計するにあたって俺が自問自答したものや彼女から受けた質問になる。
とはいえ生活にかかるお金はどうするの?
家賃・電気代・水道代以外の生活にかかるお金はどのように処理したらいいのかが気になると思う。
結論から言えば、どんぶり勘定でどちらかが支払いをする。
例えば自炊して2人で食べる時、食材費が発生しているはずだ。
「2人で食べるんだから半分・・・」と考えてしまうかもしれないが、我が家は半分ではなくどちらかが負担することになっている。
別にそういうルールにしているわけではないが、大体通算して支払いが少ない方が支払う感覚だ。
理由は、単純に買い物のたびに精算処理するのがめんどくさいし時間の無駄だからだ。
その食材を買うときに、個人が使うもの(例えば、俺が飲むサプリや彼女の化粧品など)が同じ買い物かごに含まれていたとしても、どちらかが支払いをする。
いちいちその支払いを分けていたら、1人で生活に関する買い物に行けないし不便だ。
ちなみに、外食をした時も会計は分けずにどちらかが支払いをする。これもやはり、めんどくさいし時間の無駄だからだ。
片方が働かなくなるリスクはどうしたらいい?
片方が働かなくなるリスクの取り扱いについても気になると思う。 ”働けなくなる” ではなく "働かなくなる" リスクの話。
結論から言えば、このリスクはもちろんお互いにある。このリスクは受け入れるしかない。
ただ、このリスクはパートナーの性格やモラルに依存する。
「どんな方法を使ってでも自分の資産を守りたい」「使えるお金が減ってもいいのでとにかく働きたくない」
例えば、このように考える人がパートナーだと合算2等分方式は成立しない。
逆に「(自分の資産を増やすことより)2人が快適に暮らせるように貢献したい」「頑張って収入を伸ばしていきたい」
このように考える人がパートナーだと上手く運用できる可能性が高い。
もちろん、これは労働や家事を強要するものではない。それは本人の気持ちに任せる。見返りを求めない。
結局のところ稼いでる方が損をしない?
これは俺の彼女から再三質問された。
結論から言えば、その通りで稼いでいる方が損をする。
ここでは前提として男性の収入の方が多いと仮定して、男性視点で解説をする。ご了承いただきたい。
説明するまでもなく、計算式に当てはめると収入の多い方が金銭的には損をする。
独立会計・一部共通口座方式にしていた方が、個人の使えるお金が多くなるのは間違いない。
でも、長期的にみたらどうだろうか。
例えば子どもができたとして、女性がいわゆる専業主婦になりたいとなった場合を想定しよう。
独立会計・一部共通口座方式の場合は、そもそも共働き前提で設計されているので成立しなくなる。
そうなると、おそらく大半の場合がお小遣い方式に移行することになるだろう。
そのときに自分が管理側に回れたら問題はないと思うが、そうでなければ待っているのはインセンティブのない制約された世界だ。
仮に管理側に回れたとしても、お小遣い金額の交渉が都度発生してなかなか疲れるはずだ。特に「子どものために必要だ」との理由だと断るにしても気を遣う。
合算2等分方式にしていた場合、共働きかどうかは関係がない。やることは同じで合算して半分にするだけだ。(合算ではなく1人力になるが・・・)
そうなると、使えるお金は両者一時的に減るが、インセンティブという希望は残る。
お小遣い方式になった時のどちらが管理側に回るか(あるいは両者管理にするか)の無駄な心理戦もしなくて良い。引き続き2人は対立することなく、シンプルにただ自分の収入を伸ばすことに集中したら良い。
子どもへの教育投資も自分で判断できる。自分が子どもにとって必要なものと感じたら出資したらいいし、そう思わなければ出資しなくていい。お金の使い方は自由だ。
このように、稼いでいる方が損をするかと言えばそうなんだけど、
長期的には2者間の対立リスクとインセンティブを失うリスクを回避することができる。
また、結構大事なポイントになるんだけど、この合算2等分方式は稼いでいる方からしか提案できない。
収入の少ない方から合算2分方式を提案することは、提案する方もされる方も心理的ハードルが高い。
男性陣は提案しやすい早いうちにこの方式を提案しておいた方が、長期的には幸福度の高い生活が送れるはずだ。たぶん。